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 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━■
     KKS Mail News Vol.600 2011/09/13 今週火曜発行
     新聞本紙情報も掲載 → http://www.kknews.co.jp/
     毎日ニュース更新中 → http://www.kknews.co.jp/wb/
    書籍blogも更新中 → http://www.kknews.co.jp/htdocs/
  携帯でチェック!! http://www.kknews.co.jp/wb/mobileaccess.php
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 近頃、なぜか昔なじみの消息を知る機会が重なっています。

 メールをもらったり、偶然に見かけたり、
 仕事の取引先としていきなり対面してみたり。

 そのたびに、過去への扉はノックされ、開いていく。

 コンコン、キィー(続く)
 
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 ◆今週のcontentsは−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 |・今週のKKSブログ人気記事ベスト5
 |・Pick it up!!  平成22年度「文部科学白書」を公表
 |・今週のニュース
 |・メルマガ編集日記 「扉を開く」
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−です◆
 
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          今週のKKSブログ人気記事ベスト5
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 1:公立学校の89.3%が避難所に 水を確保する設備は29.7%の整備率
  http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/08/post_5148.html

 2:環境省より、「外国産カブトムシ・クワガタムシを飼育されている皆様へ」
  http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/08/post_5151.html

 3:暴力行為の全学校数に占める割合は25.2%〜児童生徒の問題行動等の調査
  http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/08/post_5126.html

 4:図解で考える方法 魚骨図
  http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2006/06/post_364.html

 5:大学に通う学生数、女子の割合ともに過去最高 就職率は横ばい61.6%
  http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/08/post_5105.html

 ▲…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…
  Pick it up 平成22年度「文部科学白書」を公表
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 文部科学省では、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化・芸術にわたる
 文部科学省全体の施策を広く国民に紹介することを目的とした「文部科学白書」
 が、毎年刊行されています。

 このたび、平成22年度の「文部科学白書」が公表されました。

 平成22年度の「文部科学白書」は、1.東日本大震災への対応、2.特集、
 3.文教・科学技術施策全般の年次報告、の3部構成となっています。
 
 
 詳しくはこちら↓
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5164.html
 
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            今週のニュース 
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 【教材】
 「ジェットストリームFシリーズ」の新色第4弾が、新発売されます
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5154.html
 
 授業中にウェブ入力も 中高校生向け新聞制作プログラム「見聞録伝」発売
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5161.html
 
 
 【教育よもやま話】
 星出宇宙飛行士が「きぼう」日本実験棟で着るTシャツデザインを募集
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/t_1.html
 
 ダイヤモンドでできた小さな惑星の存在が明らかに〜米科学誌サイエンス
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5153.html
 
 地震「不安」92%、「震度4」で避難行動35%、「震度5」では83%
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5156.html
 
 セブンイレブン「マルチコピー機」での、学校向け検定料等支払いサービス
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5157.html
 
 キミのデザインが宇宙へ飛び立つ!星出宇宙飛行士のTシャツデザイン募集
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/t_2.html
 
 九九は7の段が最難関、8の段>9の段>6の段でも苦戦
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5160.html
 
 なぜ「中秋」にお月見をするのか?アストロアーツ「特集:月を見よう」
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5163.html
 
 銀河系の中心では、数万年ごとに「星のベビーブーム」が起きている!?
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5166.html
 
 約8割の子どもが「怖がり」でも何を怖がっているのかははっきりせず
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/8_7.html
 
 「エレーニン彗星が地球に衝突する?」という噂にNASAが真面目に回答
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/nasa_2.html
 
 ワードの世界チャンピオン 誕生
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/_mos.html
 
 子どもの走行動作を分析して開発したシューズを発売〜ムーンスター
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5170.html
 
 「大学の秋入学」に賛成70%、一方で「秋入学は定着するか」NOが59%
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5172.html
 
 25歳以下の男女の結婚観「自分の“できちゃった婚”は6割強が否定的」
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5174.html
 
 5人に1人は進路未定のまま大学を卒業 進路決定率は「医」「保健」トップ
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5173.html
 
 
 【行政】
 教育内容等の改善を図る取組を積極的に行なう大学が増加〜文部科学省
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5158.htmll
 
 生徒指導に関する教員研修の在り方についての研究報告〜文部科学省
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5162.html
 
 「公立学校施設の耐震改修状況調査の結果について」〜文部科学省
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5167.html
 
 携帯電話のフィルタリングは上の学校種になるほど途中解除〜警視庁
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5168.html
 
 「暴力行為のない学校づくりについて」の報告書が公開されています
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5171.html
 
 
 【イベント】
 「新たな国民のたから」近年購入した文化財を展覧 岡山県立博物館
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/92_4.html
 
 「日本人と英語」江戸から現代への英語学習の歴史 国会図書館関西館
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5159.html
 
 「下水道の日」は、虹の下水道館で学ぼう!〜東京都
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5165.html
 
 明治から昭和初期の化学者達の軌跡をたどる 企画展「化学者展」
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5169.html
 
 第5回「ことばと学びをひらく会」10月1日実施
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/10_17.html
 
 養護教諭らへ「子宮頸がん予防とワクチンの最新知識を学ぶセミナー」開催
 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5175.html
 
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          メルマガ編集日記 〜 扉を開く
 ━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…
 
 結婚しました、というメールを貰う。

 メールをくれた藤城さん(仮名)は、
 僕が昔やっていた仕事で、マネージャー的な役割をしていた人でした。
 今は一本立ちをして、女性向けのセミナーを開催している。
 書籍を出版するなど、仕事を自分で作り出しながら活躍しています。

 「永遠の婚活キャラだったんですが、ついに入籍しちゃいました」

 彼女のメールは、当時の仲間達に一斉送信されていました。
 おめでとうの返信メールの山の中に、

 「ごめん。藤城さん(仮名)を僕がもらっちゃって」

 という川野くん(仮名)の返事があって、みんなが騒然となる。

 「ごめん、嘘です。僕の彼女は、藤城さんより10歳以上若いです」

 騒然となったのにびびったのか、すぐに川野くんの訂正メールが入る。

 「10歳以上若いっつー情報になんか価値があんのか、ボケ」

 藤城さんからの、幸せの渦中とは思えないほどの口汚いメールが戻る。

 コンコン。キィー。

 ああ、そうだった。
 僕は思い出します。

 このふたりは、皆で飲んでいると、
 時間差で二人とも消えていったりしたのでした。
 当時から、二人の仲はどうやら怪しいようだという噂が立っていて、
 でも、二人の会話は少なくとも他のメンバーの前では結構口汚くて、
 でも、僕は偶然に、二人が男女間の距離で座っているのを見ていて、
 なんだか、マンガみたいなカップルだなあと、内心思っていた。

 そのまま行くかと思ってたのですが、そうか。
 二人には転機が訪れたのか。

 キィー。バタン。

 バタン。なにか、もう一つ、音がする。


 「8年ぶりくらいかな?」

 池袋の街を歩いていたら、
 僕が仙台にいた頃の知り合いである斎藤さん(仮名)に会いました。
 現在も仙台在住の彼女は、シンポジウムスタッフとして東京に来ていた。
 その仕事は昨日で終了、今日は一日東京を散策してから帰仙するのだと。

 斎藤さんは、やはりその当時の共通の知り合いで、
 今は東京に住む陽子ちゃん(仮名)と待ち合わせなのだと言う。
 「久しぶりな人と会ってお茶してる。うん。来てのお楽しみ」
 お茶を飲みながら、陽子ちゃんを一緒に待つことにした。

 秋にさしかかったとはいえ、まだ街は暑く、日差しは強い。
 アイスコーヒーのグラスに結露した水滴が、テーブルに跡を作っている。

 このあとは、どこ見に行く予定? 

 「都電荒川線に乗りたいんだよね。で、あと根津博物館。
  その後吉原近辺に行って擬洋風建物を見て、新幹線で戻りかな」

 モンブランにフォークを差し込みながら、斎藤さんは質問に答える。
 ・・・あれ?

 コンコン。キィー。

 「上の栗が甘ったるいんだよね。かぼちゃのとかだったら良いんだけど」

 確か、彼女はモンブランが嫌いだったような。
 昔、モンブラン苦手とか言ってなかったっけ?

 「あ、そう・・・だね。うん。なんか食べられるようになった」

 そう言って笑う彼女は、すこし丸っとした感じで、
 それが幸せからなのか、ストレスからなのか、よく分からない。

 「あれ!! 榊原さんじゃん!」

 そういって、カフェに入ってきしなに大声で驚く陽子ちゃん(仮名)は、
 もの凄く丸丸っとした感じで、明らかに食べ過ぎです。よく分かります。

 キィー。バタン。

 バタン。なにか、もう一つ、音がする。


 名刺に「製造第一課長 加藤草平」と書いてある。

 加藤・・・草平(仮名)。草平。草平。あれ、草平くん?

 「気づくのが遅い。俺、篠崎からの書類を受け取った時にわかったけど」

 そんな、リーマンスーツに、リーマンヘアーで分かりますかって。

 「お前は変わらんな。40近くにもなって、服装とか無頓着すぎるだろ」

 服装で一喜一憂するような精神次元は飛び越えてるからね、僕は。
 この内に輝く高貴なオーラは、何を着てても隠し切れないし?

 「・・・変わらんな、ほんと。悪い意味で変わらんな」

 ばーか。変わらないように接してるんだよ。
 学生時代の遊び相手が二十年近く経って、仕事相手として現れる。
 気恥ずかしくない方がおかしいでしょうが。

 「課長、榊原さんとお知り合いなんですか?」

 草平くんが出てくる以前に、しばらく僕とやり取りをしていた、
 チーフという肩書きの篠崎さん(仮名)が口を挟んでくる。

 「うん、高専時代の。寮で一緒の部屋だったりな」
 「え、マジですかぁ。うわぁ!」

 いや、篠崎さん。いきなりテンション上がりすぎでしょ。
 それは何だろう、どちらかというと飲み会のテンションですよ。
 ここはなにか? 合コンかなにかの会場ですか?
 今まで、しっかりした人だなあ、20代半ばの女の子も
 なかなかやるもんだぜと思っていた僕の感心を返してください。

 「榊原さん。課長って、その頃どんなんだったんです?」
 「篠崎」
 「まあまあ、いいじゃないですか。課長。
  商談にはちょっとした雑談も必要ですよ」

 篠崎さん、瞳が真ん丸ですね。
 それは獲物を見つけた時のネコの目ですよ。

 「課長の10代なんて、想像できないですもん」

 そうだねえ。
 草平くんは、というか、僕らは・・・一言で言えば、

 コンコン、キィー。

 僕らの高専には女の子が少なく、
 反面、男の子は十把一絡げほどにいた。
 そのバランスの悪さを示すように、
 女子寮の建物の一角に、男子寮が食い込んでいた。
 4階建てのその建物のうち、1階から3階までが女子寮。
 4階だけは男子寮として運営が行われていた。

 僕らは、その4階の4人部屋に、2年生の時に入っていた。
 同室の草平くんは、なにかとアグレッシブな存在だった。

 「ロープをこうして窓にかけてだな。降りていく。
  すると、見つからずに女子寮に侵入できるのではあるまいか」

 当時の彼女とふたりきりになりたくて、草平くんは必死だった。

 僕達は女子寮の一角に住んでいたとはいえ、そこはそれ、
 学校も間違いが起きないよう、対策は十分にしてあった。
 女子居住区域への廊下には、重くて大きな鉄扉。
 ノブの鍵には、当時珍しかったディンプルキーが採用されており、
 さらに扉の出入りを監視するように、カメラが設置されていた。

 こんな程度のセキュリティ、すり抜ける方法なんていくらでもある。
 でも・・・当時、僕達は工学を勉強していたのだけれど、
 セキュリティを無効化するというアプローチは思いつかなかった。
 つまり、僕らは若く、素直で、バカだった。
 なにかと力づくだったし、力だけあり余っていた。

 「行ってくるぜ」

 全寮消灯後。23時30分。
 同室の僕ら3人に爽やかな笑顔を残した草平くんは、
 窓から飛び降りるようにして消えた。

 結論から言って、草平くんは失敗した。
 「このロープ、インディジョーンズに出てきそうで、かっこよくね?」
 格好で選んだロープは麻縄で、耐荷重が15キロくらいのものだった。

 爽やかな笑顔の3秒後、ロープは切れて、落ちた。大きな音がした。
 下を見ると、草平くんは仰向けに大の字になって唸っていた。
 あまりにも大声で唸ったもんだから、女子寮中の電気がついた。

 草平くんは1週間の停学となった。
 草平くんと同室の僕らは、連帯責任として1週間の風呂掃除を命じられた。

 寮では、全寮生が17時〜19時半の自由時間の間に一斉にお風呂に入り、
 そのあと、学習時間と称する1時間半の時間を取るという事になっていた。
 この時間、全寮生は机に向かって勉強をしている、という決まりだった。
 その学習時間に、僕らは大浴場の掃除をすることになったのだった。

 掃除は、結構楽しかった。
 全ての寮生がいなくなるまで、ゆったり風呂に入る。
 時間が来たら、水を浴びて、火照った体を冷やしてから、
 腰にタオルだけを巻いて、デッキブラシで浴場を走りまわる。
 なにせ、僕らは若く、素直で、バカだった。力だけがあり余っていた。
 机に向かうより、体を動かしている方が、ずっと面白かったのだった。

 4階から落ちて大声で唸った割に、ちょっとした打ち身だけですみ、
 かつ停学になっても、寮生だから結局寮でぶらぶらしていただけの
 草平くんは、なぜか腰にタオルも巻かなかった。
 全裸でデッキブラシを抱えるようにして持ち、浴槽の縁に足をかけて
 「俺のハートはビンビンだぜ!!」
 シャウトしてから、全裸で、ぶらぶらさせながら風呂場を疾走していた。

 「うおおおおおおお!!!!!!」

 こいつは、なぜ叫び声を上げ続けているのだろうか。
 一瞬の後、僕を含めた同室の3人は、そうか、と得心した。
 バカだからだ。

 1週間ののち、罰としての掃除の最終日。
 草平くんは、いつにもまして全力だった。
 体から湯気が出るほどに、渾身の疾走をしていた。

 掃除がすんだあと、僕らは水を浴びて、汗を抑える。
 腰に巻いているタオルで体を拭いて、ジャージに着替える。
 そうしてから、自販機で紙パックのジュースを買って飲む。

 草平くん・・・なぜ君はまだ全裸なのだ。

 草平くんは、その問に答える代わりに腰を左右に軽く振りながら

 「男がぶらぶらしとるのは、何にせよイカンですよ」

 と言った。

 僕らはそのギャグのあまりのくだらなさと、
 今の彼の姿とのあまりのマッチングに、全力で失笑した。
 それにつられるように、草平くんも失笑した。
 4人で、全力で、失笑した。

 それからしばらく経ったあと、落下事件の直後に、
 草平くんは彼女から別れを切り出されていた、と知った。
 やっぱり、奴はバカだ。僕ら3人は再度得心したのだった。

 キィー、バタン。

 「一言で言えば?」

 一言で言えば・・・ぶらぶらしてたかな。

 「ぶらぶら?ですか? 部活とか入ってなかったんですか?」

 草平くんは、失笑している。
 同じエピソードを思い出しているんだろうけれど、
 その失笑は、あの頃の僕らのように全力のものではない。
 どこか力が抜けていて、あまりバカではなく、
 ちょっぴり小賢しくて、少し優しい。

 そういえば、あのギャグを書いた中島らもは、もう居ないのか。

 バタン。なにか、もう一つ、音がする。


 コンコン。キィー。

 「お久しぶりです。覚えてらっしゃいますか」

 そういう一文で始まったメールが届く。
 差出人は、昔このメールマガジンの読者でいてくれた人。

 彼女の現況が綴られたメールは、今が綴られたものでありながら、
 当時の僕の姿を、さわれそうなほどに明確に見せてくれました。

 当時の僕は、今よりもずっと教育について真剣に考えていた。
 幼児教育から大学院までの現場に入り、教育の意味や価値、あり方など、
 自分の中で模索をしていた。いろいろな人に出会い、期待を裏切り、
 逆に裏切られ、挫折しては踏み出し、頓挫しては、また踏み出した。

 今は、ここに居る。
 今の僕は、当時の僕を眼前に見ながら、触れもしないほどに遠くにいる。

 「また、登録して読んでみたいと思います」

 彼女のメールは、そう閉じられていました。

 キィー。バタン。
 
 過去への扉が閉じられ、過去の僕は見えなくなる。

 バタン。

 同時に、未来への扉が音を立てて、開いた気がする。
 その扉には、何も見えない。そこに未来の僕は居るのか。
 本当に開いているのか。それどころか、本当に扉はあるのか。
 分からない。分からない。分からない。

 それでも、開いた気は、なんとなしに、する。

 きっと、僕らにはそれで十分なのでしょう。

 600号。ありがとうございます。
 読者の方々をはじめとして、編集部の皆様、
 昔関わっていただいていたスタッフさん。
 現在関わっていただいているスタッフさん。
 皆様に本当に感謝いたします。

 このメルマガが、今まで一度でも皆様の扉を開くきっかけを
 作れていれば、これから一度でも扉の開く音を聞いた気になる
 きっかけを作れていれば、それに勝る喜びはありません。

 今後とも、ご愛読のほど、よろしくお願いいたします(榊原)
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  編集・発行:(株)教育家庭新聞社   http://www.kknews.co.jp/
           KKSブログ News   http://www.kknews.co.jp/wb/
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