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                            2012/5/11 71号 
目次:
●レポート:アースポリシー研究所から

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Eco-Economic Indicator

■揺らぐ、アラブ諸国のフード・セキュリティ■

by Sara Rasmussen

関連図
http://www.worldwatch-japan.org/graph02.html

中東および北アフリカのアラブ諸国は世界の人口構成では5%を占めるにすぎないが、
世界の穀物貿易量の20%強を輸入している。その輸入量は1990年の3000万
トンから2011年の7000万トン近くへと増加している。(図1)その輸入穀物が
同諸国の穀物消費量の60%近くを占めている。「水不足」、「限られた農地」、
「生産量の停滞」により、輸入は今後も増大するであろう。

 同諸国のなかにあって、エジプトは穀物の最大の生産国であり、その合計生産量の
40%近くを占めている。同国は、この20年で生産量を倍増させている。(図2)
しかし、同国の水資源、農地とも他の諸国と同様に未利用なものは既に残されておらず、
これ以上の増産は望めない。

 1980年代、サウジアラビアは深層の化石滞水層から地下水の揚水を始め、これに
よって砂漠での栽培が可能になった。コムギの生産には世界市場の数倍の価格に相当する
補助金が支出され、1990年代の初めには、エジプトに次ぐコムギ生産国となった。
(図3)ピーク時には、同国の消費量の2倍の生産量を誇り、輸出国に転じた。しかし、
地下水がほぼ枯渇して、この無理な農業生産は終わった。2016年までには、政府は
コムギ生産はゼロベースになるものとしている。結局、その四半世紀の間に「コムギの
輸出国」の地位に上り、そこから「100%輸入依存国」へと激変したわけである。

 同諸国では人口増加により穀物需要は増大を続ける一方で、その生産量は停滞している。
1960年以降、人口は4倍に増加して3600万に及んでいる。2050年までには、
さらに2600万の増加が予測され、農地と水資源はいっそう逼迫する。
 しかしながら、人口増加のみがそうした需要増大の要因ではない。同諸国の多くは
政策的に食肉生産量の増大を支持しており、飼料は1970年の50万トン弱から
2011年の4000万トンへと急増している。当然のことながら、同期間の1人
当たりの穀物消費量は50%も増大した。

 人口増加と乳肉消費量増大という二つの要因がもたらした穀物の需給ギャップを
埋めたのは輸入穀物である。(図4)しかし、人口増加という要因のみによっても、
2050年までには穀物需要は2億トンに達するものとみられている。これは現在の
世界の穀物貿易量の2/3に相当する。乳肉消費量増大という、もう一つの要因を
加味すれば、さらなる需要増大がみこまれる。海外市場への依存体質を引きずった
ままでは、将来のフード・セキュリティは極めて厳しいものとみられる。


*次回配信予定、6月1日(金)『中国の食肉消費量』
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