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                            2012/6/25 74号  

目次:
●レポート:脱原発宣言とランドスケープ(その2の1)

 地球白書  会友 千賀裕太郎

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 原発再稼動とTPP加盟という、日本の現在と将来に決定的な影響を与える大問題への
政治家たちの認識は軽薄というしかなく、マスコミ報道も右往左往しているようにみえる。
アメリカ型の自由主義経済を至上とする世論形成のなかで、日本の国も企業も地域も
家族も自分も、「敗者」に転落することへの恐怖感からか、終わりのみえない「競争」
に日々駆り立てられ、たかが「水を沸かす」ためだけに、原子力エネルギーという
「バンドラの箱」を開放する危うさに気づく余裕を失っている。こうしたハイテンション
の社会意識の状態は、3.11原発過酷事故を経た現在も、いまだ収まっていないように
みえる。

 福島の原発過酷事故を受けて、速やかに「原発廃棄」を表明したのは、日本ではなく
ドイツの首相だった。メルケルは、2011年5月30日、既存の原発17基全てを10年間で
全廃すると宣言したのである。

 この背景には、事故直後の3月26日に、過去最大規模(25万人)の反原発デモが行われた
ことに見えるように、ドイツ市民の高い「環境意識」がある。ただし、観念的・抽象的な
環境意識ではない。自らの日常の暮らしに関心を持ち、安全で落ち着いた、自然と文化の
豊かな生活空間の保全と形成に、地域コミュニティの一員として責任をもつ、という具体的
で地に足の付いた、ハイマート(ふるさと)の自然と人への強い愛着である。

 ドイツを旅すると、とりわけ農村地域の田園風景の美しさ、瀟洒な小集落に心を打たれる。
ロマンチック街道やメルヘン街道沿いのランドスケープはその代表にすぎない。全土に
展開する都市・農村のほとんどが、ある秩序を保ちながら個性的な景観美を保持している。
ただし、実はこうした状況は、ドイツにかぎらない。フランス、イタリア、スイス、
イギリス、オランダ、ハンガリー等、多かれ少なかれ欧州全般に広がっているランド
スケープの特徴といってよい。

 こうした景観美を維持するには、金銭的利益や作業効率を優先させる「市場原理主義」や
「個人主義」とは異なる社会的「原理」の存在が必要であることは、「国栄えて山河なし」
のわが国の現状に照らせば明らかであろう。

 この「原理」の奥を掘ればきりがないし、切り口如何によっても異なってくるが、私の
専門に引き寄せれば、「計画」にかかる民主主義の定着だと思う。この場合「計画」とは、
地域計画を意味する。まちやむらといった、日常的に人々が暮らしている地域の計画が
どうなっているのか。とりわけ自然保護を含む地域計画のベースになる土地利用規制が
日本に比べて厳格に実施されているが、そのような制度は、どのような歴史的背景のなか
で形成され、市民はこれをどうとらえているのかなど、よく吟味し、彼我間で比較検討する
必要がある。(次号に続く)

■次回配信予定:7月2日(月)


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