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鹿島化学金属プラスチックベアリングマガジン
トライボロジーとは
編集・発行:鹿島化学金属株式会社 http://www.kashima-kagaku.com
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鹿島化学金属株式会社、代表取締役 鹿島祐二でございます。
松の内を過ぎておりますが、今年初めてですので
あらためまして
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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2014年が始まり、はや半月が経ちましたが皆さんの出だしはいかがですか?
出だしはどうであれ、まだ340日以上あります。
明るく楽しい年にしていきましょう。
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■ プラスチックの基礎知識 プラスチックと軸受の用語
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■ トライボロジー
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さて、今年の弊社のメルマガは、弊社がお仕事させていただいている
プラスチックおよび軸受業界の様々な用語を取り上げたいと思います。
皆さんのお役に立てるよう、わかりやすく解説するつもりです。
今年1年も、どうかお付き合いいただけますようお願い申し上げます。
1回目の今日は「トライボロジー」という言葉です。
そんな言葉、聞いたことない。
とおっしゃられる方も沢山いらっしゃると思いますが、
知ってて損はないです。得にもならないかもしれませんが、
しばらくの間お付き合いを。
■そもそもトライボロジーとは、
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軸受(潤滑)の権威、曽田東京大学名誉教授によれば
1966年にイギリスの雑誌“Scientific Lubrication”の表題に出てきた、
「…(前略)潤滑はトライボロジーと改名しよう」
というところから出てきた新語だそうで、その定義は
「相対運動しながら、互いに干渉しあう二面、
ならびにそれに関連した諸問題と実地応用に関する科学と技術」
ということだそうです。
なんのこっちゃ、さっぱりわかりませんね。
でしたら、こう覚えて下さい。
トライボロジーとは
「潤滑・摩耗・摩擦を考える科学技術である」
と。
(詳しく知りたい人は、日本機械学会誌、74の曽田名誉教授原稿をお読みください)
ではトライボロジーを、潤滑・摩耗・摩擦の観点からご説明いたします。
■潤滑
 ̄ ̄ ̄
そもそも、トライボロジーは「潤滑」という言葉を改めたのであり、
物をスムーズに動かすのには元来「潤滑」というものは必要不可欠で、
摩耗・摩擦の根幹をなすものであったのです。
ところが、弊社のようにプラスチックを扱うものとしては、
「潤滑」というものが摩耗・摩擦の根幹ではなくなりました。
プラスチックを使って物をスムーズに動かすには「潤滑」が
必要でなくなったからです。
従いましてここでは「潤滑」については説明を割愛させていただきます。
■摩耗
 ̄ ̄ ̄
摩耗を分類すると
・凝着摩耗
・アブレッシブ摩耗(ざらつき摩耗)
・疲労摩耗
などがあります。
これらの摩耗は基本的に金属を基準に考えられていますが、
プラスチックに見られる摩耗には
・溶融形
・せん断形
・炭化形
などの分類もあります。
●凝着摩耗
凝着摩耗とは簡単に言えば接触し合う2つが一体となろうと凝着し、
しかし凝着してもせん断してはがれ落ち表面が荒れていく現象を
あらわしています。
同材質のプラスチック同士を摺動させると、この現象が起きる場合があるので、
我々がプラスチック同士の摺動をあまり推奨していないのはこれが根拠です。
プラスチックの摩耗の分類にある溶融形摩耗も、
これに類すると考えてもいいでしょう。
●アブレッシブ摩耗(ざらつき摩耗)
アブレッシブ摩耗(ざらつき摩耗)とは、摩擦する表面のざらつきや、
異物の介在で削り取られる摩耗を意味します。
異物の介在は想像できると思いますが、
表面粗さも摩耗に関係することがあります。
もちろん表面が鏡面のようであれば、それに越したことはありませんが、
時間とコストを考えると鏡面仕上げばかりしていられません。
ちなみに弊社ベアリングは表面粗さによる摩耗の違いを大学と共同で研究して
おり、コストパフォーマンスのある最適な表面粗さをご提供しております。
●疲労摩耗
疲労摩耗には二つの形式があり、
一つは“ころがり”に関連する転動疲労。
もう一つは“ころがり”や“すべり”両方に見られる脆性材料の摩耗です。
転動疲労は繰り返しの応力で摩耗することを指します。
脆性材料とはその言葉通り、もろく弱い材質を繰り返し摺動させたときに
起こる摩耗です。
どちらも繰り返しのなかで起こる摩耗で、寿命、あるいは限界ととらえても
いいかもしれませんね。
●せん断形摩耗
プラスチックの摩耗形態でのせん断形摩耗とは、積層にしたプラスチック
であればその積層の層間剥離が原因となる摩耗のことです。
充填材を入れた材料であれば、その充填材の部分でのクラック(裂け目)が
発生する事による摩耗などを指します。
●炭化形摩耗
炭化形摩耗とはフェノール樹脂などに見られる摩耗で、通常、熱可塑性プラス
チックは熱により溶融を起こして柔らかくなり、前出の凝着(溶融)摩耗を起
こしやすいのですが、熱硬化性プラスチックであるフェノールは溶融しない分、
炭化していきます。
その炭化が原因で起こる摩耗のことです。
熱硬化性プラスチックに多く見られる現象です。
一般的に摩耗は、見かけの接触面積ではなく、
荷重に正比例すると言われています。
さらに速度も摩耗に影響します。速度論は金属の場合の潤滑を含めた話と、
プラスチックの無潤滑とでは少し話が違いますが、
この荷重P(Pressure)と速度V(Velocity)の積、PV値が
摩耗を考察する一つの指標になります。
●PV値
http://glossary.kashima-kagaku.com/ha/000029.html
また、表面の硬さが硬いほど摩耗に強いと言われます。
ただこれは金属ではある程度あてはまるかもしれませんが、
プラスチックの場合はあてはまりません。
色々な説や実験等、難しい話は割愛しますが、
硬いもの・柔らかいものどちらが良いかは使用状況や摩耗形態、
材質の弾性などにより違ってきます。
硬さについてもいつかご説明させていただきます。
非常に長いメルマガになってしまいましたので、
3番目の摩擦に関しては次回に引継ぐことにして
トライボロジーについてのご説明はこのあたりで終わりにします。
お付き合いいただきありがとうございました。
ベアリングについて「ベアリング用語集」というページを作成していますので、
よければご覧ください。
●ベアリング用語集
http://glossary.kashima-kagaku.com/
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■編集後記
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改めまして、鹿島祐二です。
今年の正月休み、多くの方が長い休みだったのではないでしょうか。
皆様はどうして過ごされましたか?
初詣は行かれました?福袋は買われました?
そうそう福袋。
実は私、百貨店の福袋って一度も買った事がないのです。(当然か)
朝早く並びたくもないし、別に何が欲しいわけでもないのですが、
持ってる人を見るとなんかうらやましいなあ、と思ってしまいます。
いつか福袋買ってみたいものです。
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