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鹿島化学金属プラスチックベアリングマガジン
プラスチック軸受の摩擦係数
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今回メルマガを担当させて頂きます
製造部の中野 公洋(なかの きみひろ)です。
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ご無沙汰しております。
今回は、前回のメルマガで予告していましたように、
「プラスチック軸受の摩擦」というタイトルで
「摩擦係数」について紹介させて頂きます。
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■ プラスチックの基礎知識 プラスチックと軸受の用語
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■ プラスチック軸受の摩擦係数
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前回のメルマガを読んで私は難しすぎて少し頭が痛くなってしまった(笑)ので、
私はもっと簡単に紹介させて頂こうかと思っています。
物足りないと御思いになられる方も中にはいらっしゃるかとは思いますが、
お付き合いお願いします。
「摩擦」は日常生活いたるところに存在し、私たちは日々気付かないところで
「摩擦」を利用したりお世話になったりしています。
摩擦があったほうがいいところ、摩擦が無いほうがいいところ・・・。
さまざまです。
スキーをする時はよく滑るほうが良いですし、和室のふすまのレールもよく滑
るに越した事はありません。
ところが逆に自動車のタイヤや登山シューズなんかは滑ってもらっては困りま
すよね。これらはいずれも摩擦が大きく関係しています。
摩擦を簡単に説明します。
例えば平らな床に物体を置いてそれを横からまっすぐ引っ張るか押すかしよう
とした時、少なからず力が必要になります。なぜなら、見た目は平らに見えて
も、物体の底部分と床の表面部分に小さな凹凸があって、これが物を動かそう
とした時に引っかかりあって動かす力を邪魔しようとしているからです。
この邪魔する現象を「摩擦」と言います。
物と床の接触している部分の凹凸の大きさや、物の重さによって動かす時に必
要になる力は変わってきます。この力を「摩擦力」と言い、力が多く必要にな
るにつれて摩擦力が大きくなると言いあらわします。
ザラザラの荒いコンクリートの上に置いた物体と、ツルツルのフローリングの
上に置いた物体では、コンクリート上の物体を動かすほうが力を使いますよね。
また、物体が重くて床に押し付けられる力が強いほど摩擦力は大きくなります。
置いてある物体が重たいほうが軽い物体より力をよく使うことも普段生活して
いれば当たり前の話ですよね。
今回は床に置いた物を動かす時を例にあげましたが、「摩擦は物が擦れ合った
あらゆる箇所で発生している」というのは周知の事実です。そして、摩擦する
力を計算して数値化したものを「摩擦係数」と言います。もっと簡単にいうと
物と物が擦れる時、滑りやすいか滑りにくいかという事を目に見える形で解り
やすく表現したもの、という事ですね。少しまどろっこしいような、長めの説
明になりましたがここまでが「摩擦」に関する簡単な説明になります。
当社では樹脂のベアリングを主に取り扱っています。樹脂にも様々な種類があ
る事はご存知の方も多いと思いますし、これまでのメルマガでも紹介させて頂
きました。
木やゴム、金属をはじめ、世の中の様々なものに摩擦があるように当然樹脂に
も摩擦があり、その樹脂の種類によってもそれぞれで摩擦係数が異なります。
ベアリングで言えば、“摩擦が少ない”=“摩擦係数が低い”=“良く回る”
となります。摩擦の少ないよく回るものを使用する事で省エネルギーにつなが
ったり、部品の摩耗を少なくする事でコストダウンにもつながるというわけで
すね。
ただし、摩擦係数が低ければそれで構わないのかというと、決してそういうわ
けではなく例えば弊社で取り扱う軸受けで考えた場合、摩擦係数が低い材質を
選定するだけでなく、その他にも荷重や回転数、温度、薬品など色んな使用条
件も考えなければなりません。
おっと言い忘れましたが価格面も重要ですよね(笑)
そのあたりの材質選定に関しては、弊社がそれぞれのお客様に合ったものを考
え、ご提案いさせて頂いておりますのでご安心下さい。
ここで色々摩擦について調べていくうちに、少しおもしろいものをみつけまし
たので紹介させて頂きます。
現在ロシアのソチで冬季オリンピックが開幕中ですが、優雅に氷の上を滑るフ
ィギュアスケートは特に注目を浴びていますよね。では何故氷の上をあんな風
に滑られるのでしょう・・・?
そんなの氷だから滑るに決まってるだろ!と私は(私も?)最初思いました。
しかし、氷にも表面に小さな凸凹が無数にあって、摩擦係数的にはとりたてて
小さいという訳ではなく、むしろ氷は決して滑りやすい材質というものではな
いのです。では、何故滑るのでしょうか・・・?
これについてはいくつかの説があります。
1)摩擦融解説
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スケートシューズの刃と氷が摩擦しておきる熱によって氷が融け、潤滑油代わ
りの水ができる説。
私はこれかなぁと思っておりました。
ただしこの説だと、あえて摩擦熱を発生させる為にスケートシューズの刃を研
がずに滑った方が結果的には良く滑るコトになるはずです。
しかし実際はどうかと言うと、研いだ刃のほうがよく滑りますので、そこには
矛盾が発生してしまいます。
そこで出てくるのが次の説です。
2)圧力融解説
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実は、氷の融点というのは圧力によって変化する性質があるのですが、この説
はそういう性質によって氷が固体から液体に変化するという考えの下に立てら
れた説です。
スケートシューズの刃先が押し付けられて氷に圧力が加わる
→ 氷(固体)の融点が下がってその部分が一瞬液体に変化する
→ その液体が潤滑油代わりになる
→ スケートシューズの刃が通過すると加わっていた圧力がなくなる
→ 再び氷(固体)に戻る
→ 繰り返し
お〜。なるほど、そういう考え方があったのか!!!
…と思いきや、この説でもやはり矛盾が発生してしまうんです。
それは何かというと・・・
例えばマイナス30℃以下の、氷が液体にならない世界でもスケートシューズで
スイスイ滑る事が出来るという点です。
マイナス30℃にもなると、いくら圧力を加えて融点が下がったからと言っても、
さすがに液体に変化するまでの温度にはなりません。
この理論ではそこの説明が付かないんです。
いずれの説も古くから信じられてきた説であり、調べていけば他にも説が出て
きますが、現在でも明確な答えはまだ出ていないようです。
それであれば私が今度スキーかスケートに行った際に解明してこようと思って
います(笑)
摩擦と関係する少しおもしろい題材だったので紹介させて頂きました。
以上今回は「摩擦」について紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょう
か?私も「摩擦」についていろいろ調べていくうちに「摩擦」が日常生活から
オリンピック競技にいたるまで様々なところで関わっている事を改めて実感し
ました。
これからは仕事中をはじめ、大根をおろす時やテレビでオリンピック競技を観
戦している時にも「摩擦」を意識してしまうかもしれません(笑)。「摩擦」
を活かすも殺すも色んな分野でこれからも課題になっていきそうですね。
ということで今回はこのあたりで。
お付き合いありがとうございました。
ベアリングについて「ベアリング用語集」というページを作成していますので、
よければご覧ください。
●ベアリング用語集
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■編集後記
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改めまして、中野 公洋です。
製造に関するセミナーを東京で受ける事になり、
先月大阪から一泊二日で東京に行ってきました。
私は東京に行くことが公私とも滅多になく、
行くならついでに日本の中枢の東京というものを肌で感じてこようと
思っていました。
時間がなく、新宿にあるホテルから徒歩10分くらいの
セミナー会場と新幹線に乗るための移動の間くらいしか
東京経験(笑)ができなかったのですが、
東京の人の多いこと、また店の多いことにびっくり。
私の住む大阪も人が多いので、人の多さには慣れているつもりでしたが
東京のそれには改めて驚かされました。
また、都心を走る電車に乗ったときも子供のように窓に顔をくっつけて
外の風景を見ていたのですが、建物や街並みを見る限りとても綺麗で、
道幅も広く、都会イコール「ゴミゴミした街
」
というイメージを持っていた私にとっては少し意外でした。
私も大阪に生まれ育ち、一応都会っ子のつもりで生活してきましたが、
東京にいる間は田舎から出てきたような感覚になり、
店の看板やら走っている車、通行している人に至るまで
他の人には他愛もないと思われるものを、目を輝かせ見てしまいました。
そして、“この場所が日本を動かしているんだなぁ”と思うと
感慨深いものがありました。
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