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鹿島化学金属プラスチックベアリングマガジン
  発行日: xxxx年xx月xx日
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      鹿島化学金属プラスチックベアリングマガジン

    ボールベアリングの精度等級 金属とプラスチックの違い


 編集・発行:鹿島化学金属株式会社 http://www.kashima-kagaku.com

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今月のメルマガの担当をする 東 弘之です。
宜しくお願い致します。

http://www.kashima-kagaku.com/company/staff.html#azuma


3月も中旬になり、ようやく今年の寒くて長い冬も終わり春の便りが
あちらこちらから聞こえてくるようになりました。



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■ MEDTEC JAPAN2014 に出展します。
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弊社は4月9日〜11日までMEDTEC JAPAN2014(東京ビッグサイト)
に出展しております。

 http://www.medtecjapan.com/


皆様のご来場を、弊社名物社長が首を長くしてお待ちしておりますので、
お気軽に弊社ブースにお立ち寄りください。(ブースNo.2617です)




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■ プラスチックの基礎知識 プラスチックと軸受の用語

■ ボールベアリングの精度等級 金属とプラスチックの違い
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さて今月のテーマは

「ボールベアリングの精度等級 金属とプラスチックの違い」

についてです。


初めにボールベアリングをよく取り扱っている方々には何を今更と言われるか
も知れませんが、まずはボールベアリングの精度等級について簡単に説明します。



ベアリングの精度は大きく分けて

 『寸法精度』と『回転精度』

の2つに分けられます。


●『寸法精度』
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 静止した状態の精度
 外径、内径、幅、面取り(R)等々の寸法の許容値(又は許容差)


●『回転精度』
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 動いてる状態の精度
 文字通りベアリングが回転する際の内輪、外輪のラジアル、アキシアルの
 振れ等々の許容値(又は許容差)
 (ラジアルとは軸に垂直方向 アキシアルとは軸と平行方向の事)




そしてこの寸法精度と回転精度に関しての項目は、上記だけでなく他にも様々
規定されていて、それぞれの各項目について許容値が数段階に分けて設定され
ており、等級で表します。

国際的に標準化されているので、違うメーカーの商品でも等級がわかればその
ベアリングの精度がわかるようになっています。



●ボールベアリング規格について

ボールベアリングの規格として等級が定められていますが
日本では主にJIS規格(JIS B 1514)やISO国際規格が使われています。
他にはドイツ規格DIN、アメリカ規格等があります。アメリカの規格等級には、
許容値の範囲に若干の違いがありますが他は同等と考えてよいでしょう。


今回は国内で一般的なJIS規格で見ていきます。


●ボールベアリングのJIS規格

JIS規格の等級は0級 6級 5級 4級 2級の順に精度が厳しくなっていきます。
(許容値の範囲 0級が一番緩く、2級が厳しい)


皆さんが何も指定せずに金属ベアリングを注文すると0級(並級)が手元に届
くはずです。但し、0級だからと言って決して大きな許容値ではありません。

わかりやすく外径、内径の寸法精度について実例を挙げてみてみましょう。



■深溝ベアリング #6005(呼び径 外径φ47mm 内径φ20mm 幅12mm)の場合

●0級の場合の許容値

外径0〜-11 内径0〜-10と許容値の範囲が項目毎に細かく決められています。
単位はμm。実寸でミリメートルに換算すると許容値は
 外径47mm〜46.989mm 内径20mm〜19.99mm
の間に寸法が入っていなければなりません。

このようなレベルで「寸法精度」の幅、肉厚等また、「回転精度」の外内輪
それぞれのラジアル及びアキシアル方向の振れ等々が仕上がっています。
金属をよく扱う方々からすると当然だと思われるかもしれませんが、それでも
大量生産されている品物でこれだけの精度を出すのはすごい事だと私は思います。


●最上級の2級の場合の許容値

外径0〜-4 内径0〜-2.5と、とてつもなく超厳しい範囲になっています。
これも換算すると許容値は
 外径47mm〜46.996mm 内径20mm〜19.9975mm となります。
数字的に許容値は0に限りなく近いものですね。


このレベルになると、地球上で人間が造ったものの中で一番と言っていいほど
真円度が出ている事になります。

2級や4級の高精度ベアリングは工作機械のスピンドル等に使用されます。
高速回転や精度が必要な箇所には振れが少なく回転抵抗が最少になるこれらの
ベアリングが使用されます。但しこれらを使用するには周辺のベアリング以外
のシャフトやケース等も高精度に仕上がっていなければ意味がありませんし、
精度が良すぎると軍事転用される可能性がある為、輸出規制に引っ掛かる場合
もあります。

従って、一般産業機械では0級で十分なところが大半を占めています。


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■プラスチックベアリングの精度について
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ここまで一般的なベアリングの等級について話してきましたが、本日の命題の
プラスチックベアリングに話を移したいと思います。

よく我々に

「鹿島さんのプラスチックボールベアリングは何級ぐらいの精度で
 仕上がってるの?並級?」

と聞かれますが、いつも

「申し訳ございませんが等級では表せません」 とお答えします。



プラスチックベアリングは、等級で表せる範囲の許容値には
『プラスチックであるが故に』収まらないのです。

また、その物性を考慮して『わざと等級からはずして』製作していると言っても
過言ではありません。

 
まず、『プラスチックが故に』という理由はこのメルマガのシリーズでも時々
出てくるプラスチックの物性によります。

熱線膨張係数、吸水率等が金属とは全く違うため、製作時には0級に仕上がっ
ていたとしても、経時変化により寸法が金属ベアリングのような許容値の中に
収まらない為です。

熱線膨張係数を見てみると、

金属ベアリングの代表的材質のSUJ2では、

 SUJ2 :[12X10-6]

ですが、プラスチックの熱線膨張係数の例を挙げると、

 超高分子量ポリエチレン(UHMWPE):[10〜19X10-5]
 POM :[10X10-5]
 PPS :[5X10-5]

のようになり、金属とは1桁も違い温度環境により大きく寸法変化が起こります。
(プラスチックの場合種類が多いので大雑把ですが)

また、樹脂の場合は吸水による寸法変化も考慮しなければなりません。



次に『わざと等級からはずして』製作している点についてです。


ボールベアリングは内輪・外輪の間に勿論ボールが介在しているのですが、
その内外輪とボールの間には、ほんの僅かにスキマがあいておりその部分を
内部スキマ(ガタ)と呼びます。

精度を上げるには寸法精度を厳しくし、回転精度も厳しくしていかなければ
ならず、その結果ベアリングのスキマ(ガタ)が小さくなります。


プラスチックベアリングの場合、周囲の環境(温度や吸水)や自己の回転熱に
より金属ベアリングより大きな寸法変化が起き、軌道輪とボールの間のスキマ
がなくなって回転不良を起こす原因となります。

その為、弊社ではスキマを小さいもので約50μ(PEEK PPS等)から約200μ
(UHMWPE等)程度のものと材質ごとに分けて製作しております。


下記は弊社でベアリングによく使われる材質を寸法安定性の
よい順に挙げてみました。

 カーボン > PPS > PEEK > PET > POM > フェノール
             > PP > 充填剤入りPTFE > UHMW > PTFE

順番は使用環境により若干前後しますが参考にしてください。



以上が、プラスチックベアリングが金属ベアリングのどの等級にも当てはまら
ないという理由です。


ただ、お客様の中には一定の条件下で使用するので精度を上げてほしいとの
ご依頼も頂きます。その場合はご相談の上、試験等をして頂きながら最善の
方法をご提案させていただいております。

ぜひご一報ください。




鹿島化学金属はプラスチックとプラスチックベアリングの
プロフェッショナルです。

お困りのことがあればご相談下さい。


 鹿島化学金属株式会社
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■編集後記
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 改めまして、東 弘之です。
 
 今年に入ってここ数年来の私の小さな夢が一つ叶いました。


 それは、


         「雪の金閣寺が見たい」 



 と云う小さな小さな夢でした。



 そんなの京都の冬は、よく雪が降るから毎年見る事ができるだろうと
 思われるでしょうが、意外とそれが難しいのです。

 まず、私の希望は晴れた日に雪が金閣寺の屋根の上に積もっている
 状態を望んでいたのです。
 晴れていると、金閣寺の前の池に綺麗に「雪の金閣寺」が映るからです。

 次に、一番難しいのは私の休日にその状況がやってくる事です。

 4〜5年前から何度となく挑戦してきました。
 休日の前には天気予報をチェックし京都方面に雪が降りそうで
 翌日用事もなければ期待して翌朝起床するのですが、殆ど空振りに終わります。


 今は金閣寺にライブカメラが設置されていてネットでリアルタイムに確認
 できるので積もってなければ二度寝に向かいます。

 ●金閣寺のライブカメラ
 http://www.shokoku-ji.jp/k_live.html


 たまに、積もっていると自宅を出発。1時間強かけて現地に到着。
 しかし雪はすでに溶けてどろどろの道を歩くだけ。。。


 こんな事を年に数回繰り返していたのですが、遂に2月の大雪の時ではなく
 1月の程よく降った晴天の日、
 素晴らしい『雪の金閣寺』を見る事ができました。

 ●写真はこちら↓
 http://ameblo.jp/kashima-kagaku/entry-11797389623.html

 予想していたより感動がありましたよ。
 歳をとると日常で感動を感じる事が少なくなってくるので、
 50を過ぎたオッサンには刺激になりました。

 皆様も機会があれば、一度経験してみたらいかがでしょうか?
 きっと小さな感動はあると思います。


 さて、次の私の小さな夢はフルマラソン完走かな?

 本当に小さな夢ですが・・・・



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編集・発行:鹿島化学金属株式会社           編集 鹿島 祐二

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