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鹿島化学金属プラスチックベアリングマガジン
  発行日: xxxx年xx月xx日
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      鹿島化学金属プラスチックベアリングマガジン


            射出成形と直圧成形


 編集・発行:鹿島化学金属株式会社 http://www.kashima-kagaku.com

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こんにちは、今月のメルマガを担当させて頂きます中野です。
http://www.kashima-kagaku.com/company/staff.html#nakano


秋ですね。

まだ暑い日があったり、そうかと思えば寒い日があったりと
日や時間によって気温が変わるので、通勤などの服装にも注意して、
体調管理には特に気をつけないといけないですね。


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■ 射出成形と直圧成形
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今月のメルマガのテーマは『射出成形と直圧成形』です。

プラスチックの製品、成形品を作る方法として、金型を使いプラスチックの
原料を型で押し固めて製造する「成形」という方法があります。

弊社が得意とする切削加工の材料となるプラスチックの塊は、板も丸棒等も
「成形」によってできているもので、「成形」はプラスチック製品を作る
うえでは必要不可欠な方法と言えます。

この「成形」という技術にも色々と方法がありますが、今日はその中の
「射出成形」と「直圧成形」をご紹介させて頂きます。



まず、成形を行う際に大きく係わる要素として原料があります。
これまでのメルマガでも度々ご紹介しているかと思いますが、
プラスチックの原料はその特性によって
「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」の2つに分かれます。

それぞれの特性を考慮し、もっとも効率の良い製造を行える成形方法を
選択することが重要になります。


●熱可塑性樹脂・・加熱すると軟化し、冷却すると固まる性質
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
材料(チョコの塊)を溶かして型に入れ、
冷やして固める “チョコレート”を作るイメージ


●熱硬化性樹脂・・加熱すると一旦軟化し、その後加熱し続けると固まる性質
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
材料を焼いて固める“ワッフル”を作るイメージ


※チョコレートは加熱すればまた溶けますが、
ワッフルは一度固まると元には戻らないですよね。
このあたりの性質もそれぞれの樹脂の性質に当てはまります。



それでは「射出成形」と「直圧成形」についての説明です。


■射出成形
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
射出成形は、溶かしたプラスチックを注射器のようなもので押し出します。
これを射出といいます。
目標とする製品の形を作った金型に、溶けて柔らかくなったプラスチックを
押し込んで(流し込む) 、その空間を充満します。
その後冷やして固めて、形になったものを取り出す方法が射出成形です。

※チョコレートを作るイメージで例えられた「熱可塑性樹脂」の特性を
うまく利用できる成形方法が射出成形です。
多くの原料が使用可能ですが、加熱すると固まってしまう性質の
熱硬化性樹脂を原料に使用した射出成形は、
温度管理が難しく成形時間も長くなる事から射出成形の強みを活かす事が
できない事が多いので、一般的な射出成形においては熱可塑性樹脂を用います。

また、金型を痛めやすいアウトガスが発生しやすい原料や、金型の隅々まで
材料がいき届きにくいような溶融流動性が悪いものも不向きで、
射出成形で成形できないものもあります。


●良い点

・成形品の形状の自由度が高い
 直圧成形に比べ、色々な形状を作ることが可能。

・大量生産が安くできる
 自動化も進んでおり成形サイクルが速く、量産することによって
 製品を安く作ることができる。

・バリが(ほとんど)ない製品を成形する事も可能
 後処理をカットできる。


●悪い点

・金型費用が高額
 複雑な構造の金型が必要とされる為、直圧成形で用いる金型に比べて
 射出成形用金型は非常に高額。

・少量生産には不向き
 少量生産では金型費用に見合った利益があげられない。



■直圧成形
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
圧縮成形では、プラスチックの原料を型に入れて、これに熱を加えながら
圧力をかけて形を作る方法です。金型の構造もシンプルで、もっとも古くから
行われている成形方法です。

※ワッフルを作るイメージで例えられた「熱硬化性樹脂」の原料と相性が
良いのが直圧成形です。熱硬化性樹脂は耐熱性、強度において
優れているので、大型の製品、肉厚の製品等によく用いられますが、
大型、肉厚のものになると射出成形では対応できなかったり、
効率が悪い場合があるので直圧成形を用います。

また、強度を増すため繊維を混ぜた材料や流動性のない材料等、
直圧成形でしか対応できないものもあります。
しかし逆に、流動性が良すぎても直圧成形には不向きで、安定した成形には
適度の粘度が必要となります。

構造がシンプルなので射出成形と比べ直圧成形の金型や設備は比較的安価です。
その点からいくと小ロットにも対応できるという事になりますね。


●良い点

・熱硬化性樹脂の成形が効率よくできる

・金型が比較的安価
 射出成形用金型に比べ構造が単純な為、金型が比較的安価。
 よって少量生産にも対応しやすい。

・成型機が比較的安価

・メンテナンスが容易
 成型機も金型も射出成形に比べて単純なのでメンテナンスも容易で寿命も長い。


●悪い点

・成形時間が射出成形に比べとても長い
 適度な温度と圧力を加えながらゆっくりと成形させていくので成形に
 時間がかかる。大きさによっては加熱〜冷却までが数時間かかる場合も。

・大量生産には不向き
 成形に時間がかかる為、大量生産には不向き。

・直圧成形を行う加工業者が射出成形に比べ圧倒的に少ない
 弊社は圧縮成形に対応しております。

・バリがでる
 成形後、バリが多く出るので後処理が必要。




■弊社においての成形

弊社では主にギアを作る際に社内で直圧成形を用いて成形し、それを社内で
切削加工して仕上げています。
成形する際は、繊維を入れ強度を増したシート状の熱硬化樹脂や、
粒状の樹脂をあらかじめ計算した量に分け、それを熱した金型に仕込みます。

不良の原因になるので、仕込む際には材料に偏りがでないようにしたり、
スキマができないようにします。
時間が経つと硬化してしまうので、素早く注意して仕込んでゆきます。
また、成形する際の加熱温度も、その時の気温や室温によって
長年の経験と勘を活かして修正し、設定していきます。

工程の中には重い金型を人の力で動かす場面も多々あります。
それを200℃くらいになる成形機の前で一日行っているとクタクタになりますが、
その一枚一枚丁寧に焼き上げたものが切削加工を経て立派な製品になった時は
苦労が報われた気分になります。
夏場などは特に・・(笑)


※今回取り上げた「射出成形」「直圧成形」の他にも世の中には
様々な成形方法があります。

形状、材料、効率性、コスト、等を考え、それぞれに合った成形方法を用いて
製品、成形品を作るわけですね。


今回のメルマガはここまでとさせて頂き、また機会があれば別の成形方法に
ついてもご紹介できればと思います。ありがとうございました。



 プラスチックの事なら鹿島化学金属にお尋ねください。






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プロフェッショナルです。

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■編集後記
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 改めまして、鹿島化学金属の中野です。

 秋と言えば食欲の秋やスポーツの秋、交通安全週間の秋(笑)等
 色々ありますが、先日保育所の年中組になる息子の運動会を
 見に行ってきました。

 運動会は8:30開始なのにもかかわらず、家から自転車で5分の
 ところある保育所に向かって家を出たのは6:00・・・。

 お子様をお持ちの方なら察しもつき、経験もおありかもしれませんが、
 そうです、席取りです。
 嫁にたたき起こされて・・。

 (私)一人で向かうと既に列ができており、
 後で聞くと一番先頭の方は5:00着だったらしいです。

 5:00に行かされてないだけ、
 嫁に微量のやさしさを感じた運動会の朝でした。



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編集・発行:鹿島化学金属株式会社           編集 鹿島 祐二

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