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鹿島化学金属プラスチックベアリングマガジン
自動調心ボールベアリングの導入事例
編集・発行:鹿島化学金属株式会社 http://www.kashima-kagaku.com
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こんにちは!
今回のメルマガは営業部の牧野美緒と製造部の赤穂太貴が担当します。
牧野美緒(まきの みお)
http://www.kashima-kagaku.com/company/staff.html#makino
赤穂太貴(あこう たいき)
http://www.kashima-kagaku.com/company/staff.html#akou
よろしくお願いします。
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■ 自動調心ボールベアリングの事例紹介
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今回は、実際に自動調心ボールベアリング
(軌道輪:PEEK,保持器:充填材入PTFE,ボール:アルミナセラミック)
を提案した事例についてご紹介させて頂きます。
まずは営業部の牧野から、自動調心ボールベアリングについて簡単にご説明さ
せて頂きます。自動調心ボールベアリングは、軸とハウジングの芯を合わせる
のが難しい場合や、軸が長くたわんでしまう場合などに、自動的に芯をとるこ
とができるのが特徴です。外輪の内径部分が球面になっているため、軸が傾い
ても回転することができる構造になっています。文章だけではイメージしにく
いかもしれませんので、詳しくは下記のページをご参照ください。
●自動調心ボールベアリング
http://www.kashima-kagaku.com/products/ball_04.html
では、実際に自動調心ボールベアリングを提案した事例についてご紹介します。
お客様とは、アメリカで開催された展示会に出展した際に弊社のブースにお立
ち寄り頂いたことがきっかけで知り合いました。ブースでは、他社製の樹脂球
面すべり軸受を使用しているが、不具合があり困っているとのこと。
展示会後、実際にどのような商品を使用されているのかを確認すると、現状使
用されている他メーカーさんの軸受について、型番や寸法等を詳しく教えて頂
くことができました。また、洗浄装置に使用するベアリングという情報ととも
に、実際に使用している装置とその装置にベアリングが組み込まれている写真、
そして装置の図面を送って頂くことができたので、これらの情報をもとに、お
客様の装置に合わせて、規格品ではない、特殊な寸法の自動調心ボールベアリ
ングを設計することになりました。
また、材質を選定するために、使用条件を詳しく伺い、使用環境、使用温度、
回転数、負荷など、お客様から得た情報から、軌道輪がPEEK、保持器が充填材
入PTFE、ボールがアルミナセラミックという材質をご提案しました。アルカリ
性の薬品を使用しており、蒸気にさらされる環境で、負荷が比較的大きい、と
いう点を考慮して、軌道輪の材質は、樹脂の中では比較的強度のあるPEEKを選
定。また、蒸気にさらされますが、基本的にはドライ環境での使用とのことで
したので、すべりをよくするために、保持器の材質には充填材入りのPTFEを選
定しました。
このように、お客様の使用される装置の構造や使用環境に合わせて、設計から
材質選定まで行っております。
では、ここで製造部の赤穂に一度バトンタッチします。
赤穂さん お願いします!
はい。続いては、製造部マシニング担当の赤穂が
自動調心ボールベアリングの加工について紹介させて頂きます。
まず、ベアリングを作る時にマシニングを使うのは、
保持器に溝や穴を加工する作業です。
保持器は、ボールベアリングのボールが、
内輪や外輪から脱落しないようにし、
ボール同士がぶつからないように均等に配分しています。
ボール同士がぶつかってしまうと、
摩擦が大きくなりスムーズな回転が得られにくくなります。
今回紹介する自動調心ボールベアリングの保持器の加工で
難しい点がいくつかあります。
まず、刃物の選定です。
保持器を加工する際には材質ごとに刃物の材質を変えています。
また自動調心ボールベアリングの保持器の場合は、
普通のラジアルボールベアリングで使用している刃物とは
違う形状の刃物を使用して加工しています、
刃物の材質や形状が間違っていると、品物が溶けたり、切れなかったりして
思った通りの寸法に仕上がりません。
ですので、様々な形状や材質から一番適している刃物を
判断するのがとても大変です。
また、刃物を取り付けるときに工具と刃物の間に小さな異物などが
入った状態で機械に固定してしまうと、回転させた時に真っ直ぐ回らず、
刃物が芯振れを起こしてしまいます。
この状態で加工してしまうと、
想定していた形状とは違う寸法に仕上がってしまいます。
例えば、φ5の刃物が0.1mm振れている状態で加工すると、
片側が0.1mmなので円になると0.2mm大きいφ5.2の穴になってしまいます。
この様に芯振れが起こっている状態で加工すると所定寸法より大きくなり
ボールが脱落する原因になってしまいます、
ですので、保持器を加工する時はいつも以上に慎重に刃物を取り付けて、
芯振れがないかを確認しなければいけません。
また、自動調心ボールベアリングの保持器を加工する時は、
治具を使用して加工しているのですが、
品物を治具にチャッキングする際の
締付け圧力にも気を付けなければいけません。
今回使用している材質「充填材入PTFE」や「UHMWPE」などは
プラスチックの中でも柔らかい材質なので圧力が強いと
変形を起こしてしまいます。
変形した状態で加工してしまうと、加工後に元の形に戻って、
穴の位置がずれてしまい、回転不良の原因になります。
しかし、締付け圧力が弱すぎると加工中に品物が動いてしまい、
穴の位置がずれてしまいます。
なので、材質ごとにチャッキングの締付け圧力を
微妙に変えて加工しています。
以前紹介したメルマガでも、
NC旋盤のチャック圧で品物が変形してしまうとありましたが、
プラスチック加工はチャック圧がとても難しいです。
このあたりは経験がものを言います。
そして最後にもう一度牧野から、樹脂ベアリングの特徴についてご紹介します。
<樹脂ベアリングの特徴>
1.無潤滑…グリース等は不要で、無潤滑で使用可能
2.耐水性…水中や海中、不定期に水がかかる場所でも錆びることなく使用可能
3.耐薬品性…薬品の中や、薬品のかかる場所でも腐食することなく使用可能
4.絶縁性…電気を通したくない場合でも使用可能
5.非磁性…磁気を帯びては困る場合でも使用可能
以上5点が、樹脂ベアリングの大きな特徴です。ベアリングを使用する際、この
ような点でお困りの場合は、ぜひご相談ください。
また、受注生産で製作しており、規格品以外でもオーダーメイドで1点からでも
対応可能です。今回ご紹介させて頂く案件に関しても、ベアリングの設計から
させて頂きましたので、寸法や形状など特殊なものが必要な場合にも、ぜひお
声掛けください。
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■編集後記
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改めまして営業部の牧野美緒です。
今回のお客様は海外の方でしたので、すべてメールでお打合せをしました。
では、ここで質問です。
「自動調心ボールベアリング」は英語ではどのように言うのでしょうか?
少し考えてみてください。
答えは下にあります。
答えは、”Self-aligning Ball Bearing
(セルフアライニングボールベアリング)”です。
英語の”Align”という動詞には、
「(機械の部品など)の位置を調節する」
という意味があります。
よって、
Self-(=自分で)aligning(=位置を調整する)
Ball Bearing(=ボールベアリング)
で自動調心ボールベアリングとなります。
英語で自動調心ボールベアリングをどのように言うのかを
初めて知ったときには、いまいちぴんとこなかったのですが、
単語のもつ意味を調べてみると、英語でもイメージしやすくなり、
なるほど!と感じました。
私は大学時代は英語の絵本の研究をするゼミに所属していていました。
英語の絵本と日本語訳の絵本を見比べて、
どんな翻訳がされているのかをよく比較していました。
洋画の字幕の訳なども、こんな風に訳すんだ!と思ったりしていて、
個人的には「自動調心ボールベアリング」の英訳も
おもしろいなと感じたのですが、皆さんはいかがだったでしょうか?
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編集・発行:鹿島化学金属株式会社 編集 鹿島 祐二
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