◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鹿島化学金属プラスチックベアリングマガジン
プラスチックベアリングの材質
編集・発行:鹿島化学金属株式会社 http://www.kashima-kagaku.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
このメールマガジンは、ご登録頂いた方、展示会にご来場頂いた方、
お名刺交換させて頂いた方などにお送りさせて頂いております。
下記のフォームから簡単にメルマガの解除ができます
http://backnum.mail-magazine.co.jp/?m=jhw0
バックナンバーも↑こちらからご覧いただけます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
こんにちは!
今回のメルマガは営業部の山田がお届けします。
よろしくお願いいたします。
□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ プラスチックベアリングの材質
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
プラスチックベアリングは特殊環境で力を発揮するベアリングです。
たとえば、、、
・水がかかり錆びてしまう。
・薬品環境で腐食してしまう。
・高温環境でグリスが流れ出てしまう。
・グリスを使いたくない。
・磁性により不具合がおきてしまう。
・通電を防ぐため絶縁性のあるベアリングを使いたい。
・ガイドローラーとして使っているがワークが傷ついてしまう。
などなど通常の金属ベアリングがNGなところ、使いにくいところで
お役に立てるのがプラスチックベアリングです。
弊社のベアリングは豊富な材質組合せがあり、
ご使用の条件やご使用環境に応じてご提案をさせて頂いております。
今回はそのなかでもプラスチックベアリングによく使われる材質について
お話したいと思います。
まずボールベアリングの構造からご説明します。
代表的な形状である深溝形状などは、、、
・外輪
・内輪
・ボール
・保持器
の4点で出来ています。
外輪・内輪のことは合わせて軌道輪と呼びます。
軌道輪同士で挟むようにボールがいくつか入っているのですが、
ボールを均等に配置して脱落しないように保持するためのものが保持器です。
ボールベアリングの構造について詳しくは下記のページをご覧ください。
●樹脂ベアリング(プラスチックベアリング)の構造
http://www.kashima-kagaku.com/about/structure.html
画像付きで解説しております。
それではプラスチックベアリングの材質としてよく使って頂くものを
【軌道輪・保持器】と【ボール】に分けて簡単に特長をご紹介します。
【軌道輪・保持器】
●PEEK
<薬品環境>
耐薬品性に優れており、薬品環境などで多く使われていますが、
一部の薬品には使えないこともあります。
<高温環境>
耐熱性に優れていてベアリングとしては200℃程度の高温環境でも
ご使用いただけます。プラスチックベアリングはすべて
無潤滑で使えるためグリスが流れ出る心配もありません。
<荷重>
PEEKは強度が強く、比較的荷重のかかるところでも使える材質です。
<精度>
樹脂の中では寸法安定性が高いため精度を出しやすい材質です。
●充填材入PTFE
<薬品環境>
PTFEはとても耐薬品性が高く、PEEKではもたない環境でも使えたりします。
<速度>
充填材入PTFEは特に摺動性が良く比較的速い回転にも適しています。
しかしPTFEは柔らかい材質なのでPEEKに比べると耐荷重が小さくなります。
<低温環境>
低温特性にも優れており-190℃程度まで使えます。
●UHMWPE
<価格>
価格の比較的安い材質です。数量が多く単価を下げたい場合などで
使って頂くことも多いです。荷重や速度などの使用条件によっては
使えないこともあるため対材質でご提案させていただくこともあります。
<薬品環境>
耐薬品性が優れた材質で、薬品環境などでも使っていただけます。
<非粘着性>
非粘着性が高いため、固着がおこったりする場合におすすめです。
まずは【軌道輪・保持器】について、数ある材質の中から何種類か
ご紹介させて頂きました。
すべての環境に使える万能な材質はいまのところありません。
そのため弊社ではほかにもいろいろな材質でベアリング製作をしております。
たとえば、PP、PPS、フェノールなどのプラスチックや、セラミック、チタン、
カーボンなどもございます。
続いて【ボール】の材質をご紹介します。
【ボール】
●セラミック
セラミック材質としてアルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素があります。
●ステンレス
ステンレス材質としてはSUS304を使って頂くことが多いですが、
ほかにもSUS316、SUS440Cなどでも製作可能です。
●ガラス
金属は使いたくないけどセラミックよりも価格を抑えたい場合などに
おすすめです。
疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
プラスチックベアリングではボールにプラスチックを
使うことはあまりありません。
なぜなら同材質同士の摺動の場合、凝着摩耗という性質があるからです。
プラスチックは熱によってくっついてしまうことがあります。
ベアリングの場合は軌道輪とボールが摺動熱により一度くっついて
また離れるという繰り返しにより表面が荒れて摩耗しやすくなります。
プラスチックボールは摩耗しやすいため、低速や液中での用途以外では
あまりおすすめしていません。
わたしたちが材質選定のお手伝いをさせて頂くときは、
性能の良いセラミックボールやステンレスボール、ガラスボールの中から
環境に合わせておすすめすることが多いです。
もちろん軽量化を追求したいなどプラスチックボールの方が良い場合なども
ありますので、いろいろな材質のプラスチックボールの中からも
お選び頂けます。
よく使って頂く材質をいくつかご紹介させていただきましたが、
なんとなく参考になりましたでしょうか。
今回ご紹介した材質のなかでもお話しきれなかった特長は
たくさんございますので、気になる点がございましたら
お気軽にお尋ねください。
それぞれの材質に異なる個性があるため、
ご使用環境に応じて材質のご提案もさせていただきます。
少しだけ事例紹介をさせて頂きます。
〜事例(1)〜
液体がかかるような環境の場合、成分などによってはベアリングに固着してし
まうことがあります。地域によっては水道水でも鉄分や炭酸カルシウムが多い
水質の場合があります。水がベアリングにかかる環境で、そういった成分が固
着して回らなくなってしまうというご相談を頂きました。
このときは非粘着性の高いUHMWPEとPTFEをご提案しました。
PTFEはテフロンといったほうが分かりやすいかもしれません。フライパンのテ
フロンコーティングを思い浮かべて頂くと汚れがくっつきにくいという点をイ
メージしやすいかと思います。
さらに形状を保持器のないフルボールタイプにすることも効果的です。
通常はボールを保持するための保持器が付いていますが、保持器部分には固着
が起こったり異物が滞留したりしやすいです。フルボールタイプはボール数が
多く保持器なしでもボールが脱落しないようになっています。そのため保持器
の無いフルボールタイプにしてあげることで異物が滞留しにくくなり、洗浄性
も良くなりました。
〜事例(2)〜
プラスチックベアリングを使ってみたいというご相談を頂き、当初はPTFEをご
希望されていました。理由をお聞きしたところ他の部品などでPTFEを使うこと
がよくあるため選定したとのことでした。
できれば価格をもう少し下げてほしいというご要望も頂いたため、お打ち合せ
させて頂いたところ、このときは価格の安いPPでも使える使用条件でした。
そのためPPにてご提案してご希望に沿うことができました。
他にも、PEEKはオールマイティに使えると思われる方も多くいらっしゃるかと
思いますが、ときには過剰品質になる場合もあります。
弊社にご相談いただければ他のご提案もさせていただきます。
材質はもちろん形状などでも用途に応じて様々な組み合わせで製作できます。
『こうしたい』『ああしたい』といったご要望を言っていただければ
オーダーメイド品のご対応も喜んで承ります。
お困り事の内容やご使用の環境に応じてご提案させて頂きますので、
ぜひぜひお声掛けくださいませ。
鹿島化学金属株式会社
→ http://www.kashima-kagaku.com
ご質問・問合せ・資料請求は
→ http://www.kashima-kagaku.com/contact/
→電話 06-6472-0556
→E-mail
mail@kashima-kagaku.com
━━━━━━━━◇◆━━━━━━━━━━━━━━━◇◆━━━━━━━━
■編集後記
━━━━━━━━◇◆━━━━━━━━━━━━━━━◇◆━━━━━━━━
今年のGWは10連休でしたが、みなさまはどのように過ごされましたか。
私は令和の到来とともに大事件がありました。
令和を迎えたその日の午前2時頃の出来事でした。
およそ5年付き合った人からお別れを告げられたのです。
私にとっては悲しい幕開けでしたが、
みなさんにとって良い時代となることを祈っております。
私はまだまだ枕を濡らす日々が続きそうですが、、、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
下記のフォームからメルマガ配信の登録・解除ができます
http://www.kashima-kagaku.com/mm/
━━━━━━━━◇◆━━━━━━━━━━━━━━━◇◆━━━━━━━━
資料請求・問合せは
→ http://www.kashima-kagaku.com/contact/
鹿島化学金属株式会社
(本社)〒555-0025 大阪市西淀川区姫里2-9-21
電話 06-6472-0556 ファックス 06-6474-3630
(東京営業所)〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-27-5 日本橋Aビル3階
電話 03-6231-1721 ファックス 03-6231-1724
Home Page http://www.kashima-kagaku.com
E-mail
mail@kashima-kagaku.com
編集・発行:鹿島化学金属株式会社 編集 鹿島 祐二
Kashima Bearings Corporation
Yuji Kashima
2-9-21 Himesato Nishiyodogawa-ku Osaka City 555-0025
Phone: +81-6-6472-0556 Fax: +81-6-6474-3630
Home Page http://www.kashima-kagaku.com
E-mail
englishl@kashima-kagaku.com
◆━ Copyright Kashima Bearings Corporation All rights reserved. ━◇