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鹿島化学金属プラスチックベアリングマガジン
  発行日: xxxx年xx月xx日
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      鹿島化学金属プラスチックベアリングマガジン


           樹脂ベアリングの材質選定方法


 編集・発行:鹿島化学金属株式会社 http://www.kashima-kagaku.com

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こんにちは!

今月は<転がしのプロ>こと、野田が担当させて頂きます。

http://www.kashima-kagaku.com/aboutus/staff/#noda



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■ 樹脂ベアリングの材質選定方法
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弊社は樹脂でベアリングを製作しております。
樹脂と一言で言っても多くの材質がありますし、
ボールベアリングの場合はボールにもいくつか種類があります。

そこで今回は、
【樹脂ベアリングの材質選定方法】に関して紹介したいと思います。


材質選定をするにあたって確認したい主な使用条件が下記の5点です。

(1)荷重
(2)回転数
(3)温度
(4)薬品
(5)環境




(1)荷重

ベアリングに対してどのくらいの荷重がかかるかです。

また荷重の方向がラジアル方向かスラスト方向、
もしくは両方向にかかるのかといった情報も必要です。

金属製ラジアルベアリングであればスラスト方向、ラジアル方向共に
大きな荷重にも耐えられますが、樹脂の場合はそうはいきません。

基本的にラジアル方向の耐荷重は金属製の数%程度(材質により変動します)、
スラスト方向に関してはラジアル方向の耐荷重の数%になります。

従いまして、荷重条件は樹脂ベアリングにとって
非常に重要な要素となります。



(2)回転数

ベアリングがどのくらいの回転数で回転しているかです。

樹脂の材質やベアリングの寸法によって許容回転数が変わります。
また頂く情報としては回転数、周速どちらでも構いません。
この回転数が何に影響するかと言いますと、

軸受が回転すると摩擦熱が発生しますが、回転速度が増すと
その熱で樹脂が軟化したり、溶解して焼き付いてしまい、
回転不良が発生することがあります。
水中使用の場合は、放熱作用により回転数が向上しますので、
(5)環境と関連して回転数も重要な要素となります。



(3)温度

ベアリングを使用する環境の温度がどのくらいかです。

樹脂は材質により耐熱温度が大きく変わります。
弊社のカタログに書かれている耐熱温度は、
軸受として使用可能な温度を表しています。

カタログを見た時に軸受を使用する環境の温度と材質の耐熱温度を比べて
問題ないことを確認しても、必ずしもその材質が推奨できるわけではありません。

例えばPEEKの場合、弊社では軸受として200℃で使用可能としています。
しかしPEEKはガラス転移点(材質が軟化し始める温度)が140℃のため
140℃以上かつ高負荷がかかる環境では使用する上で注意が必要です。

また樹脂は温度により寸法変化を起こすため、
その寸法変化量を考慮して軸受の寸法を決めています。
高温環境で軸受をハウジングに圧入して使用する場合、
軸受は熱により膨張しようとしますが圧入されているため
広がることができず内径が縮んでしまいます。
その縮む値を計算して、膨張分だけ多く内径に
クリアランスを取るように設計します。

金属製のベアリングは樹脂ベアリングに比べて熱に強そうですが、
金属製ベアリングの場合はグリス等が必要になるため、
高温環境ではグリスが乾いてしまい使用できなくなります。
しかし樹脂ベアリングの場合、無潤滑で使用できるため、
高温環境でも問題なく使用できます。



(4)薬品

どのような薬品を使っているかです。

金属ベアリングは薬品により腐食してしまうため
短期間での交換が必要になります。

金属ベアリングから樹脂ベアリングに変えることで
長寿命化したり、交換手間を削減したりすることができます。

しかし樹脂の場合でもすべての材質が
すべての薬品に強いわけではありません。
材質により耐性の違いがあるからです。

どのような薬品を使っているか教えて頂ければ、
どの材質に耐性がある樹脂が何なのか確認することができます。
ただし、一部の薬品はデータがない場合もあります。
その際は可能であれば材料をお渡しして
薬品に浸ける試験をして問題ないかどうか確認して頂きます。

金属と比較した際に最も優れている点の一つが耐薬品性です。



(5)環境

お客様が使用している軸受けが使われている環境です。

主にこの環境がお客様の問題点となっています。
水がかかる、蒸気が当たる、水中に浸かっている、電気が通る、
衛生管理が重要な食品関係で使用する等、様々な環境があります。

その環境下で金属を使っていると錆びて困っている、腐食してしまう、
通電させたくない、クリーンな環境を維持したいといった問題点が発生します。

それらの環境下には適した材質があるためこの情報が必要になるのです。
食品関係ならば食品衛生法に適した材質を使用する、
絶縁する必要があるならすべてのパーツを絶縁できる材質にする、
蒸気が当たる環境ならば蒸気で使用できる材質にする
といった提案ができます。

また、樹脂ベアリングは水のかかる場所や水中で使用すると
放熱作用により、回転数が向上するという非常に良い環境にもなります。



私たちがお客様と打合せをさせて頂く際には、
主に以上の5点の情報が必要になります。


次に過去に採用して頂いた材料選定の事例をご紹介したいと思います。



■事例(1)

材質の内部にクラックやひびがないかを検査する装置に
樹脂ベアリングが使用できないかとのことでお話しを頂きました。
検査する際に電流を流して確かめるため、
ベアリングに絶縁性が求められるからです。

●使用条件
荷重:ほぼなし
回転数:手で滑らせる程度の速さ
温度:常温
薬品:なし
環境:ドライ

その他の条件として・安価であること・絶縁性・軸径φ5


以上のような条件をお聞きして、環境としてはあまり厳しくないため
通電しないことと安価なことに重点を置いて
軌道輪・保持器をPP、
ボールをガラスボール
で提案させて頂きました。



■事例(2)

外科手術用の器具に使用される軸受けで、
金属製は磁性が気になるため樹脂製のベアリングを
検討しておられました。

また、荷重や回転数は多くないのですが温度が150℃近くになるため
当初は熱に強い充填材入PEEKとジルコニアセラミックボールの組み合わせで
見積依頼を頂きました。

充填材入PEEKは高スペックな材質ですが非常に高価になります。

●使用条件
荷重:なし
回転数:揺動運動
温度:150℃
薬品:なし
環境:洗浄時に水がかかる

使用条件を詳しくお聞きしたところ、
充填材入PEEKでなくても使用には問題ないことがわかり、
価格の安い通常のPEEKを推奨しました。

また、器具を使用した後洗浄するため、
保持器がなく洗浄しやすいフルボール形状のボールベアリングを
ご提案しました。


このように様々な情報をヒアリングして材質選定をしております。
もし樹脂軸受を使用してみたいが材質をどうしようか迷っている方が
いらっしゃっいましたら是非我々にお声掛けください。
実際に打合せさせて頂き問題解決のお手伝いをさせて頂きます。




我々は日々お客様の問題を解決するために
樹脂ベアリングのご提案をしております。

もし何かお困り事があればいつでも何でもご相談下さい!

ご連絡お待ちしております!





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■編集後記
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私、昨年の秋ごろから釣りにはまっております。
始めて気づいたのが、意外と周りに釣り好きの方がいるということです。

釣りといっても場所で言えば海、川、池、他に狙う魚等によって
様々な釣り方があります。
私は堤防からルアーを投げて遊んでいるので、
自分がやらない釣りの話を聞くのが新鮮で楽しいです。


釣りをされる方々は釣った魚はどうされていますか。
私は自宅近くで釣りをするのですが、
海があまり綺麗でないため食べるのは躊躇します。

そのため釣ってもリリースがほとんどです。

自分で釣った魚をさばいて食べるのに憧れますが・・・


まだまだ始めて間もないので、釣り好きの方がいらっしゃったら
いろいろ教えて頂きたいと思います。

ぜひ声をかけてください。



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編集・発行:鹿島化学金属株式会社           編集 鹿島 祐二

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