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(株)ソフィア メールマガジン 2013.1.29発行
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今日のテーマ
今日は、「休職期間満了の退職の労働トラブルの事例」です。
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昨日(1月28日)は、労働法と労働トラブルについての研究会「フェニックス」で
が発表当番の日でした。
ただ、顧客の緊急のコンサルティングがあり、他の方に代わっていただきました。
Wさんありがとうございました。m(__)m

今回取り上げた裁判は、日本通運(休職命令・退職)事件
(東京地裁平成23年2月25日)でした。

休職した運送会社の従業員が休職期間満了して、復職不能で退職になったことに対して、
訴えた事件です。
訴えたのは営業係長Xです。
この係長、平成17年6月29日にビジネスセンターへの人事異動の内示を受けたときに、
強い拒絶反応をして、翌日には「急性口蓋垂炎」による呼吸困難で、
病院に運ばれました。
病名は「ストレス反応性不安障害」でした。

これはメンタルス不全で、ストレス障害といわれるものです。
ビジネスセンターへの人事異動がものすごいストレス、ショックだったのですね。
例の関西淡路大震災のショックや地下鉄サリン事件でのショックなどでのPTSD発症に
通じる不安障害です。

その後欠勤、主治医の診断書は「ストレス反応性障害。3か月間の休養加療を要する。」
でした

その後、復職することなく、最終的には休職期間満了で退職扱いになったのは
平成20年2月1日でした。
発病から2年半以上たっています。

欠勤が長引けば休職になります。
当初の休職命令の発令は、
疾病による欠勤開始の1年後である平成18年9月に予定していまししたが、
その直前に会社の労働時間管理に不備があったことが判明して、
2年分の割増賃金を支払うなどしたため、平成19年2月まで休職の満了を遅らせました。

この過程で、本件を担当したY次長は、
原告が直属の上司に対して理不尽ともいうべき避難・攻撃を
繰り返していたにもかかわらず、根気よく対応して、
休職命令発令の直前には、診断書を作成していないと聞いて、
再度受診のうえ診断書を提出するよう求めました。

また、Y次長は、Xに対し、発令の内示をした際、
あと1年あるという気持ちで復職に前向きに取り組むよう励まして、
その後も何度か電話をするなどして接触を図っています。
会社として良い対応をしています。

このあたり、よい事例として参考になります。

医師の診断書がこの事件の場合ポイントです。
この会社の産業医は、Xの主治医から独自に得た情報に基づき、
「本人、会社が対立する問題を保留としたまま本人が職場復帰することは、
復職にとって重要な本人の信頼感の回復を待たずに職場環境に入ることとなり、
症状が増悪し、呼吸困難のような発作が再発する可能性が極めて高い」という意見書を
提出しています。

これに対し、Xの主治医は、産業医の意見について、
「Xに面談もせずに判断することにも大きな問題がある」という批判的意見を
述べてました。
この点について、裁判所は、以下のとおり判断しています。

「確かに、医学的判断をするに当たっては面談(診察)等で得られる情報が
重要な要素であることは明らかであるが、
前記のとおり、Xと会社との信頼関係が失われた原因は、
Xが直属上司に対して激しい調子で非難・攻撃を繰り返すなどしたところにあり、
産業医は、従前の経過に基づきこの点を理解していたのであるから、
面談をしなかったことが同医師の意見の説得力を損なうものとはいえない。」

少しわかりずらいですが、Xの不安障害により、
正常なコミュニケーションは難しいということです。
だから産業医が面談しなかったのは、正当であるということ。

Xの主治医は、最初の休職期間満了の判断のための診断書に、
「ストレス反応性不安障害。就労は可能と思われるが、可能であれば
ストレスの少ない職場への復帰が望ましい。
6か月程度の通院加療が必要。」書いています。

また、最終的な復職可能かどうかの診断書では、復職可能だが前の職場は発病の経緯から
望ましくないと、限定つきの復職可能な内容になっています。
これに対して、産業医はこのままの状況で職場復帰すれば
また発症の可能性があるとの意見書を出したということです。 

このような経緯もあり、Xは退職になりました。

この研究会で使っているテキスト「労働判例集第2集 労働新聞社刊」に
次のようにありました。

「近時、多くの企業で精神疾患に陥る従業員が増加し、当該従業員の主治医の中には、
本件の主治医のように、安易に「就労可能」などと判断する場合が散見される。
しかし、企業としては、 盲目的にこのような判断を受け容れるのではなく、
疑わしいと感じた場合には、本件の会社が行ったような、
主治医への診療情報提供を求め、
その判断の合理性を検証する作業を行うことが必須である
(その際には、本件の産業医のように、
心療内科、精神科の医師の助力を受けることが肝要)。
(労働判例集第2集 p113労働新聞社刊)

最後までお読みくださってありがとうございました。

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株式会社ソフィア   平松 徹
品質ISO主任審査員  環境ISO主任審査員
中小企業診断士 社会保険労務士 行政書士 

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