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発行日：xxxx年xx月xx日 |
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KKS Mail News Vol.602 2011/09/26 今週月曜発行
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先日、会社に泊まり込んだ台風の夜、
一息つくために銭湯に行った。傘を盗まれました。
建物の外では、
『ザーーーーーー』
四方八方におかれた大形スピーカーから流れてきているかのような雨の音。
サラウンド効果抜群です。１時間も打たれ続けたら、低体温症での死亡も
あり得るくらいの大粒豪雨。
すいません、おバカさんが僕の傘を持って行ってしまったので。
僕は番台に座るおばちゃんに傘を借り、会社に帰ることにした。
『ザーーーーーー』
雨の中を、歩く。
僕は、少し昔の、暑い夏のことを思い出します。
「わかんないんだよね。人間、困ったら何をやるかなんてさ」
（続く）
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◆今週のcontentsは−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
|・今週のKKSブログ人気記事ベスト５
|・Pick it up!! 長野県上田市などにクマゼミ出現『全国セミ調査』
|・今週のニュース
|・メルマガ編集日記 「別の地平」
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今週のKKSブログ人気記事ベスト５
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１：高校生の求人倍率は0.68倍、東北、関東で求人減少〜厚労省
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/068.html
２：これぞ「F」ワールド！川崎市に藤子・F・不二雄ミュージアムオープン
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/ff.html
３：地震「不安」92％、「震度４」で避難行動35％、「震度５」では83％
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5156.html
４：図解で考える方法 魚骨図
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2006/06/post_364.html
５：暴力行為の全学校数に占める割合は25.2％〜児童生徒の問題行動等の調査
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/08/post_5126.html
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Pick it up 長野県上田市などにクマゼミ出現『全国セミ調査』
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（株）ウェザーニューズは、クマゼミの生息分布やセミの生態系を調査する
『全国セミ調査』を実施。その結果が公表されました。
調査は、全国のウェザーリポーターからの協力のもと、7月27日から8月16日に
実施したところ、今年は長野県上田市でクマゼミが初観測され、北限の福島県
福島市からも「クマゼミの声が聞こえた」との報告が多数あったことがわかり
ました。
詳しくはこちら↓
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5198.html
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今週のニュース
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【教材】
「アズール・ブルー（瑠璃色）」のペンで高級感を演出 トンボ鉛筆
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5197.html
【教育よもやま話】
「みんなのデジタルアニマルパーク」須高ケーブルテレビ
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5194.html
長野県上田市や福島県福島市にクマゼミ出現『全国セミ調査』
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5198.html
体調や暮らしに変化なく節電達成！今夏の『ライフスタイル調査』より
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5200.html
【行政】
大学の教育情報の活用や公表に関して、これからの課題や方策のまとめ
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5195.html
平成24年度 国公立大学の入学者選抜の概要発表 学部数・募集人員が微増
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/24_5.html
科学の甲子園など 初等中等教育、大学の「科学技術人材育成支援」
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5199.html
平成２３年度「社会教育調査パンフレット」が掲載されています〜文科省
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5201.html
地方教育費総額は昨年度より１．４％増加、学校教育費も８年ぶりの増加
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5202.html
子どものひきこもりや貧困問題について考えるシンポジム開催
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5203.html
【ICT】
安心に役立つ機能が充実したキッズケータイを発売〜NTTドコモ
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/ntt_6.html
【イベント】
「ミクロの美術館−顕微鏡で見た人体の世界」開催中、動物の不思議も
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/post_5196.html
日本の宇宙政策を知ろう 3本の「はやぶさ」映画と文科省がタイアップ
http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2011/09/3_11.html
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メルマガ編集日記 〜 別の地平
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ここは警察署の一角。僕は取り調べを受けています。
友達でつれだって出かけた旅行先で、僕が助手席に乗った車は
地元の人の自動車と事故を起こした。一晩明けて翌日、地元警察。
僕は刑事さんから、事故のことを詳細に聞かれています。
「保険金目当てでね、わざと事故したりすることもあるわけ。
あんたたちは、東京とかから来てるくらいだし、先方は地元だし、
大丈夫だと思うけど、一応交友関係から何から調べとかないと」
そして、彼は言ったのです。
「わかんないんだよね。人間、余裕がないと、何をやるかなんてさ」
そう。人は弱い。余裕がないと、何をやるか分からない。
3.11以降の東北に足を運び、現地の人の話を聞いています。
また頻繁に足を運ぶ人の話も、機会あるごとに聞いています。
その中には、マスコミでは絶対に流れない類の話がたくさんある。
それは、たとえば、救護活動をしていた支援団体の、こんな話。
「神戸の震災の時に活躍した支援団体のマニュアルの一つに、
差し入れにはお酒を持っていくなってのがあってね。
なんでなんだろうって思ってたわけ。
で、直接聞いてみたら、お酒を持っていったら、
ストレスから飲みすぎて、アルコール中毒者が続出したんだって。
だから、持っていくな」
「でもね、東北じゃん。嫌いなはずないんだよね、お酒。
持って行ってみた。喜んでくれる。特に酒におぼれる人も出てこない。
神戸の時の団体さんと話をして検討したら、理由らしきものが見えた」
「ていうのはね。神戸は都市圏なわけ。
だから、避難所に集まるのは知らない人ばかり。
そりゃストレスたまるよね。東北の場合は、地域コミュニティ単位で
避難所に集まってるから、酒飲んでるメンツもいつもどおり。
環境は違えど、どこかの家に集まって酒飲んでるのと変わらないわけ。
ある意味、普通に楽しくみんなでお酒が飲めるってわけだ」
これだけ聞くと、都市圏は冷たいぜコンクリートジャングル。
地域のつながりが大切なんだぜ、コミュニティラブアンドピース。
・・・みたいな話になりますよね。でも、話はここでは終わらない。
「でもさ、近くの地域で仲が悪い地域同士が、
一つの避難所にまとまっていたりすることもある。
そういうところだと、地域のリーダー的な存在からお触れが回る。
『女は夜に出歩くな。昼間も、ひとりでトイレに行くな』
訳はわかるよな」
そう。人は弱い。余裕がないと、何をやるか分からない。
こんな話もありました。これは、とあるコンサルタントの話。
「そろそろ現地も、復旧から復興のフェーズに入るんだよね。
おれのクライアントの社長に篤志家がいてさ、
私たちにできるのは、ビジネスの組み立てだ、ってんで、
とある、被害の厳しかった漁村地域にプランを持っていったわけ」
「現地で缶詰を作って、直接消費者に繋がり、ブランドとして売り出そう。
そうやって、地域の雇用を創出して、新しく経済圏を作り直していこう。
実際には、もっと精密だけど、ざっくり言うと、そんな感じのプラン」
「で、地域のお偉いさんや、漁師たちと話をした。
笑顔で聞いてくれてたんだよね。よし、これは行けるなと。
おれも社長も思ったさ。ひとしきり説明が終わった後、
開口一番、やつら笑顔のままで何て言ったと思う？
『大変結構ですね。で、われわれの漁業権の保証金はおいくらですか？』
この時点になっても、既得権益・既得権益だ。
今まであった、今となっちゃ完全に壊れてしまったそいつを盾にとって、
復興を手助けしようとする人から、楽に金をむしり取ろうとしてくる」
そう。人は弱い。余裕がないと、何をやるか分からない。
「津波ですっかり流された地域のね。
生き残った大人の、何十人か、何百人に一人は、人殺しでっす」
酔っ払った声が、やけに澄み渡って明るい。
「いや、ま、ぶっちゃけ、俺がそうなんだけどぉ」
彼は、一見するととても陽気。
「津波が来るでしょ。みんな逃げるわけ。
こりゃすげえって。逃げてくしかねえって。
どうやって逃げるか、走るか、車でしょ。
でも、道はまあ、狭いわな。田舎町だし」
なのに、しばらく話していると、こちらが不安になってくる。
「道を走って逃げてる人をさ。
津波から一所懸命逃げようとしてる人をさ。
車で逃げた俺みたいなやつが、人をはねてさ。
俺なんか、何人も何人も車ではねてさ。
そうしないと、自分が死んじゃうからさ」
なぜだ。
「誰もさ。何にも言わないんだよ。
誰が誰をはねたのかなんて、みんな知ってんの。
俺が誰をはねたのかなんて、みんな知ってんの。
知ってて何にも言わないの」
彼は、笑いながら話している。
「誰もさ。何にも言わないんだよな」
僕は気づきます。彼は直線的なんだ、と。
表情の動く木彫りの人形のようにカクカクと笑う彼は、
一つの表情と、一つの表情との間が、つながらない。
笑顔が直線であらわれ、直線で笑顔が消えていく。
彼は、おそらく生来のものである彼の明るさと、
自分のしてしまったことの内容とのアンバランスの落差を、
地元に居続けるままでは、飛び越えることができなかった。
だから彼は、東京にまでやってきた。避難という言葉を借りて。
それでも、数百キロ離れた東京にいても、彼は直線でしかいられない。
誰も、彼を責めない。その事自身が、彼を責める。
いや・・・本当にそうか？
本当に、誰も彼を責めていないのか。
だったら、なぜ、地元の人は、彼を紹介してくれたのか。
「東京に逃げてった奴がいるからさ。話聞いてみ？ 紹介してやるよ」
笑いながら言っていた、笑顔の素敵な商工会のおっさんは、
なぜ、現地に居続けられず、「逃げてった」彼を、僕に、紹介した？
やわらかな、笑顔で。
『ザーーーーーー』
番台のおばちゃんに借りた小さな傘をさして、
下半身をびしょぬれにさせながら、僕は豪雨を歩く。
弱い者たちが夕暮れ、さらに弱いものを叩く、か。
弱いのはだれで、さらに弱いのは誰だ。
交差点で信号が変わるのを待つ。足もとに、小さなポーチが落ちている。
拾って何となしに開く。定期券、外国人登録証、学生証、ちょっとのお札。
2区画先の交番に、それを届ける。
書類を書いていると、少し小柄な、明らかに日本人ではない
東南アジア系の女の子が入ってくる、ちょっと涙ぐんでいる。
机の上のパスケースを見て、目がまん丸になる。
彼女は、白い、持ち手のあるビニール袋を僕に差し出しました。
餃子200円分。すぐ近くの安いチェーン店で買ったばかりのものだという。
僕はそれを素直に受け取ることにしました。
そう。人は弱い。余裕がないと、何をやるか分からない。
でも、たまに、ちょっとだけ、強くなれることもあるかもしれない。
それは、人間かくあるべきとか、強者とか、弱者とか。
そういう地平とは、きっとちょっと違う。
せっかくだし、いただきますか。おまわりさんも。
『ザーーーーーー』
サラウンド効果抜群の雨の音の中。
彼女と僕とおまわりさんとは、餃子を食べる。もしゃもしゃ食べる
200円で12個の餃子を、3人一緒にもしゃもしゃ食べる。
たまに、ちょっとだけ、人は強くなることがあるかもしれない。
それは、ふとした流れで餃子を一緒に食べたりするような、
きっとそんな状況のことなのだろうなあと思うのです（榊原）
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